リップルとはどんな仮想通貨なのか?
「ビットコインと何が違うの?」
という方のために簡単にわかりやすく説明します。
Contents
リップルとは
リップルの基本情報
名称 | Ripple(リップル) |
公開 | 2012年 |
コード | XRP |
開発組織 | Ripple.Inc |
コンセンサスアルゴリズム | XRP Consensus |
発行枚数 | 1.000億枚 |
まず、言葉の定義を説明します。
リップル(Ripple)=2012年にRipple Inc.(リップル社)によって開発された送金・決済システム(RTXP)の名称
XRP=リップル内で使用される仮想通貨
どちらも「リップル」と呼ぶため混同してしまうと思いますが、皆さんが実際に取引所で売買して手に入れることができるのはXRP(リップルコイン)の方です。
2018年9月24日現在、XRPの価格は約60円で時価総額が約2兆4000億円でビットコイン(約12兆円)、イーサリアム(約2.7兆円)に次いで第3位となっています。
リップルの特徴
XRPはビットコインと同じ仮想通貨ですが具体的にどのような特徴があるのか説明します。
1.取引・処理速度が速く手数料が安い
この表はXRPの送金の速さ・手数料・処理性能を表したものです。
XRPは3秒で、0.0004ドル(約0.045円)で、毎秒1500のトランザクションをこなすことが可能です。
大量の送金を処理するユースケースにおいては、他の通貨とは比べ物にないパフォーマンスを提供します#XRPtheStandard #undisputed pic.twitter.com/5YAzvLTJBj
— Ripple (@Ripple) 2017年12月22日
各仮想通貨の取引時間を示した動画です。
取引の処理時間は3.36秒 #undisputed #XRPthestandard $XRP pic.twitter.com/lnqAftGCVy
— Ripple (@Ripple) 2017年12月22日
各仮想通貨の手数料を示した表です。
取引手数料は0.0004 ドル#undisputed #XRPthestandard $XRP pic.twitter.com/SsRLP3DEl3
— Ripple (@Ripple) 2017年12月22日
各仮想通貨の処理性能を示した動画です。
$XRPは1秒あたり1,500件の取引を処理、最高水準のスケーラビリティを実現 #XRPtheStandard #undisputed pic.twitter.com/yFWXSbgsan
— Ripple (@Ripple) 2017年12月22日
2.発行枚数が1,000億枚
XRPの発行枚数は1,000億枚と決まっていて、すでに発行が完了しています。
これは他の通貨と比べても圧倒的に多く(ビットコインは発行上限が2,100万枚)、これ以上増えたりすることもありません。
ただし、全てのXRPが流通しているわけではありません。
1,000億枚の内の約630億枚をリップル社が保有しており、そのうちの約550億枚をロックアップすることを発表しました(2017年5月16日)。
ロックアップ:資産を凍結して自由に売買できないようにすること
そしてロックアップした約550億枚を 2018年以降、毎月1日に10億枚のロックアップが解除(最大が10億枚であって必ず10億枚解除(流通)するわけではないです)。
解除されたXRPは直接市場に流通するわけではありません。金融機関や機関投資家、パートナーに配布(売却)されます。
リップル社がロックアップを実施した背景には
- XRPを銀行による送金に利用するために汎用性を持たせたい
- XRPは総発行枚数が多く、その多くをリップル社が保有しているため、リップル社が大量のXRPを一度に売却するのではないかという保有者の懸念を払拭したい
という理由があります(公式ホームページ参照)。
3.中央管理者が存在する
ビットコインをはじめ多くの仮想通貨はブロックチェーンを使用しています。
しかし、リップルではブロックチェーンを使用していません。
そもそもブロックチェーンとは
1)「ビザンチン障害を含む不特定多数のノードを用い、時間の経過とともにその時点の合意が覆る確率が0へ収束するプロトコル、またはその実装をブロックチェーンと呼ぶ。」
2)「電子署名とハッシュポインタを使用し改竄検出が容易なデータ構造を持ち、且つ、当該データをネットワーク上に分散する多数のノードに保持させることで、高可用性及びデータ同一性等を実現する技術を広義のブロックチェーンと呼ぶ。」
上記のように定義づけされています。
つまり、ブロックチェーンを用いた通貨では不特定多数のノード(ネットワークに参加する際に使用するPCや携帯等の端末)によって取引の承認作業が行われるため、管理者がいなくても通貨として成り立っています。
しかし、リップルではValidatorと呼ばれる代表者によって承認作業が行われています。
リップル社の目的
ここでは、なぜリップル社がリップル(送金・決済システム)を開発したのかを説明します。
リップルは銀行・国際送金業者により高速で安価な送金を実現するために作られました。
普段の生活で国際送金をする機会はあまりないかもしれませんが、現状、国際送金を行うには高い手数料と時間が必要になってきます。
例えば、日本の口座から海外の口座に送金しようとしたらいくつもの銀行を経由しなければならないので必然的に手数料と時間がかかってしまいます。
そこでリップル社がこの問題を解決するために開発したのがリップルです。
世界中の銀行をリップル独自のネットワーク(リップルネットワークと呼びます)で繋ぐことにより、瞬時に安価な手数料での送金が可能になります。
そしてそのリップルネットワーク上で使われるのが仮想通貨であるXRPです。
例えば、日本からアメリカに送金する時を例にとると、
- 日本の銀行口座の日本円をXRPに交換
- リップルネートワークを通じてXRPをアメリカの口座に送金
- XRPをドルと交換
このように、XRPは各通貨の仲介役を担っているためブリッジ通貨と呼ばれています。
この話を聞くだけだと、
「そもそもビットコインなどの他の仮想通貨を使えば、わざわざ銀行を使って送金する必要がないんじゃないの?」
と考える方もいらっしゃるかもしれません。
ここでよく考えて欲しいのですが、仮想通貨が普及してきたとはいえ普段私たちが使用しているのは法定通貨である日本円ですよね?
つまり、仮想通貨で送金してもらったとしても最終的には法定通貨に交換して使用しなければなりません。
よって、
受け取った仮想通貨 → 日本円(法定通貨)に交換 → 出金手続をして銀行口座に移動
という手続が必要になってきます。
仮に今すぐに日本円が必要になったとしても出金されるのを待たなければなりません。
これに対してリップルの場合は、XRPがブリッジ通貨として機能することにより瞬時に日本円が口座に入金されるので出金されるのを待つ必要はありません。
価値のインターネット
上記ではリップルを用いることによるメリットについて述べました。
しかし、リップル社が目指してるものは単なる送金システムだけではありません。
リップル社が目指しているのは「価値のインターネット」と呼ばれるものです。
「価値のインターネット」とは、金融資産などのあらゆる「価値」があるものをインターネット上で瞬時に交換できるシステムのことを指します。
ここで述べている「価値」とは、日本円などの法定通貨にとどまらず、仮想通貨、株、証券、各種ポイントにいたるまで価値を持つ全ての資産が含まれます。
これが実現すると私たちの生活がどう変わるかというと、
例えば、自分のウォレットに入っているビットコインを瞬時に銀行口座に移したり(日本円に換金して)、お店でたまったポイントをそのまま銀行口座や仮想通貨に換金してウォレットに入れるなんてことが可能です。
つまり、それぞれの資産をインターネット上で繋ぐことにより(このネットワークをリップルネットワークと呼びます)、瞬時に、そして安価な手数料で移動が可能になります。
まとめ
以上、リップルについてどのような特徴を持つのか、リップル社がどのような目的でリップルを開発を行ったのかを説明しました。
リップルの送金システムにも非常に将来性を感じますし、リップル社の目的としている「価値のインターネット」が実現すれば世の中に与える影響は計り知れません。
今後もリップルについて深く掘り下げた記事をお届けしますので楽しみにしていてください。